最近、あちこちのクレジットカードの海外事務手数料が値上がりしてるの知ってますか?
ここ数年ずっと円安続きだから実際に払うチケット代が前より高くなるのは仕方ないけど、それにしても最近高いな…って

ちょ、この前とったチケットの請求額めっちゃ高いんだけど、ナニゴト…⁇



そういえば、エポスからも手数料値上げのお知らせ来てたような…
実は今、多くのクレジットカード会社で、海外で利用した際にかかる「海外事務手数料」がじわじわと引き上げられてるんですよ…
これを聞いて「なんで値上げするの?」「これって便乗値上げでは?」と、モヤモヤした方いると思います。私もしましたから。



いや、モヤるし腹立つわ~
2024年から2025年にかけて主要クレジットカードが軒並み3.63%または3.85%へ海外事務手数料の引き上げを行っています。(三井住友カードのみ、4.07%から3.63%へ引き下げ)
2024年4月1日 1.63% → 2.20%
2025年7月1日 2.20% → 3.85%
今回は、そんなクレジットカードの海外事務手数料がなぜ上がっているのか、その背景にあるちょっぴり複雑な事情を、誰にでも分かるようにやさしく解説していきますYoi
そもそも「海外事務手数料」とは?
まずはおさらいです。
海外事務手数料とは、海外の店舗やECサイトで、日本円以外の通貨(ドルやウォンなど)で決済した時に、利用代金に上乗せされる手数料のこと。
この手数料があることで、私たちは海外でも自国の通貨(円)でスムーズに支払うことができるのです。
これまで多くのカード会社では1.6%〜2.2%程度が主流でしたが、最近ではこれを引き上げる動きが目立っています。
では、ここからその理由を詳しく見ていきます
為替変動リスクの増大
これが、値上げの最も大きな理由の一つです。
例えば、あるKpopファンが150,000ウォンのソウルコンチケットをゲットした日(100ウォン=10.5円)と、その売上データがカード会社に届く数日後とでは、為替レートが変わっている可能性があります。もしその間に「100ウォン=11円」のさらなる円安になっていたら、カード会社は損をしてしまいます。
この為替変動のリスクを吸収するための「保険料」のようなものとして、カード会社は手数料率を以前よりも高く設定せざるを得なくなっているんです。



最近たまに円安がマシになる時あるけど…
国際ブランドへ支払うコストの上昇
カード会社は、この国際ブランドの決済ネットワークを使わせてもらうために、ライセンス料や利用料といった「場所代」を支払っています。
国際ブランド側にも、事情はあります。
- より高度なセキュリティシステムの開発・維持
- 世界規模でのマーケティング活動
- 世界的なインフレに伴う運営コストの上昇
といった要因から、カード会社に請求する手数料を引き上げる傾向にあります。
この国際ブランドからのコストアップ分の一部が、最終的に私たちの利用する海外事務手数料に転嫁されているわけです。
不正利用対策・規制対応コストの増加
海外での取引は、国内取引に比べてクレジットカードの不正利用リスクが高い傾向にあります。
- 高度化する不正手口への対策
- 不正検知システムの精度向上や、新たな認証技術の導入など、セキュリティ対策には莫大な投資と維持コストがかかります。
- 国際的な規制強化
- マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与対策(AML/CFT)に関する国際的な規制が年々厳しくなっています。カード会社はこれらの規制に対応するための監視体制の強化や、専門人材の確保が求められ、コンプライアンスコストが増加しています。
こうした安全な決済環境を維持するためのコストが、手数料に反映されている側面もあります。
カード会社の収益構造の変化
かつてカード会社の主な収益源は、リボ払いやキャッシングの金利、そして加盟店からの手数料でした。
しかし、法改正による金利上限の引き下げや、キャッシュレス決済の多様化による競争激化など、カード会社を取り巻く収益環境は厳しさを増しています。
そのため、安定した収益源を確保する動きとして、年会費や各種サービス手数料の見直しが進められており、海外事務手数料もその一つとして、より事業コストを適正に反映した料率へと見直されているという背景もあります。



今コンビニでも支払い方法めちゃくちゃあるもんね~
よくある質問
- どのカード会社も一斉に値上げしてるの?
-
いいえ、一斉ではないです。
ですが、業界全体としての大きなトレンドになってます。手数料率の改定時期や新しい料率はカード会社によって違うので、自分のカードの手数料が今どれくらいかというのはカード会社のサイトか専用アプリなんかでしっかり確認しておくようにして下さい~
- 手数料がまた下がることもありますか?
-
手数料の引き下げ事例は全くないわけではないですが、ごく稀です。
世界情勢や経済が安定したとしても、一度上がった手数料が下がる可能性は低いと思います。
まとめ
いかがでしたか?
クレジットカードの海外事務手数料の値上げは、単なる便乗値上げではなく
- 為替の不安定化という金融市場の動向
- 国際ブランドというプラットフォーマーからの圧力
- セキュリティ・コンプライアンスという社会的要請
- カード会社の収益確保という経営上の課題
これら複数の要因が複雑に絡み合った結果と言えます。
私たちにとっては負担増となりますが、その背景には、私たちが安全・便利に海外でカードを使い続けられるためのコストが含まれている、と理解することもできます。
チケッティングによく使われるクレジットカードの海外事務手数料まとめ
今後、海外でクレジットカードを利用する際は、この手数料率もカード選びの重要な比較ポイントになりそうですね。
カード会社 | 海外事務手数料 | 改定年月 |
---|---|---|
イオンカード | 1.60% | |
dカード | 2.20% | (2019年7月より) |
JALカード | 3.63% | (2025年1月より) |
楽天カード | 3.63% | (2025年4月より) |
三井住友カード | 3.63% | (2024年11月より) |
エポスカード | 3.85% | (2025年7月より) |
PayPayカード | 3.85% | (2025年3月より) |
ビューカード | 3.85% | (2024年12月より) |
セゾンカード | 3.85% | (2024年12月より) |
au PAYカード | 3.85% | (2024年6月より) |
(2025年8月1日現在)